景気が良くなっているかがわかる指標「自動車販売台数」
景気や株価の動きが読みにくい日々が続いています。でも、経済を株価だけにとらわれず様々な角度から見ると情報が立体的に見えてきます。
今日は、その1本目。「自動車販売台数」について解説します。
【目次】
自動車販売台数とは
景気が良くなっているか悪くなっているかがよくわかる指標で、最もわかりやすい指標が「自動車販売台数」です。
「自動車販売台数」とは、文字通り自動車が売り上げられた台数です。
米国のデューク大学で経済を教えているキャンベル・ハーヴェイ氏は、
「自動車販売台数の指数はは重要。自動車産業は、とても多くの産業と結びついて成り立っているので、自動車販売台数を見るだけで経済がわかる。」
と述べています。
自動車は、鉄やゴムや機械など様々な部品で成り立っています。そこで、自動車の販売数が増えれば増えるほど、その国の経済が回っているということになります。
また、自動車は、1台あたり150万円から300万円します。これは、年収が300
万円くらいの日本人に対して、1年間では払いきれない額となります。家計に余裕がある状態ではないと簡単に購入することはできません。
ですので、自動車販売が進んでいるということは、個人の景気も良くなっているということにもつながります。
過去の事例から
少し古いですが下のデータをご覧ください。
2009年のリーマンショックのときに、大きく落ち込んでいるのがわかります。
また、関連する部品についてもです。
リーマンショックや東日本大震災のあった時点から大きく下げていることがわかります。さらにいうと、日本は、リーマンショック以前の生産指数にまで戻っていません。
それくらい、リーマンショックは影響力があったと改めて気づかされます。
また、それをふせぐためにサブプライムローンが騒がれた時点で株は売却するべきであったと学べます。
現在の 自動車販売台数は
実は、新型コロナウイルスの影響で、2020年上半期の指標はロックダウンや自粛要請などで経済への影響は計り知れず、参考にはならないことがあります。
しかし、今後業績回復したら株価にも大きな影響を及ぼすので、ある程度でとらえておきましょう。
それでは、現在の自動車販売はどうなっているのでしょうか。
月の国内新車販売台数は、前年同月比22.9%減の34万7371台でした。
日本の自動車メーカー6社が7月1日に発表した2020年上半期のアメリカでの新車販売台数は、前年同期比26・0%減の236万4736台となりました。
一方、中国では好調で
- トヨタ自動車は前年同月比22・8%増の17万2900台。
- 日産自動車の6月の販売台数は前年同月比4・5%増の13万6929台。
- マツダは、7・3%増の2万1002台。
- ホンダは同4・1%減の14万2363台。
となっています。中国での日本車のブランド力は強いようです。
まとめ
・経済の動向を見るには、自動車生産台数をみるとよい。
・自動車生産は、たくさんの企業を支える国家事業。
・日本車は、中国でのブランド化に成功している。
中国の方は日本が嫌いなのかなと思っていましたが、この指標をみるとそんなこともないなということを思いました。副産物です。
今後も有益と思えるような記事を書いていきます。